どこで、誰と、何に「豊かさ」を感じて暮らしていきたいのか / #05

2015年10月31日(土曜日)・ワークショップ5日目

パーマカルチャーという言葉を、始めて知った。調べてみると、「人間にとっての恒久的持続可能な環境を作りだすためのデザイン体系」とのこと。うーん、よくわからなかった。

1日目。土壌管理コンサルタントでパーマカルチャーデザインを実践する、四井さんによる「パーマカルチャー」についての講義。講義がはじまってすぐの質問は「皆さんが生きている意味とはなんでしょう?」生きることはあまりにも当たり前すぎて、ふだん意識しない。「なぜ生きているのか?」改めて聞かれると、すぐに答えがでなかった。短い人生を何とはなしに生きていることは、ちょっとだけもったいない。パーマカルチャーはそんな生きている意味を見出だすことでもあるらしい。

パーマカルチャーで大切なのは、その「土地」。「いかに小さな面積の中にたくさんの生き物が生きていくことができるのか」を意識するということが大切。人はいつでも消費を重ね、その多くはごみとして廃棄され、還元されない。それを、自然の循環システムの中に戻す。人がそこに暮らすことで、その「場」がより豊かになるような暮らしのしくみ「小さな地球」をつくる。私たちが生きているということに価値を生み出す。意味あるものにする。シンプル、だけど深い。パーマカルチャーの世界。

DSC_5601

講義のあとは、四井さん宅を見学。庭先ではヤギがお出迎え。四井さん宅は手作りの、木の温もりがいっぱいで、家族の気配が感じられる暖かい家だった。歩いて一周10分ほどの敷地。そこには、四井さんが描くパーマカルチャーの世界が凝縮されていた。手作りのかまどやロケットストーブ、生活排水を浄化するためのバイオジオフィルターやコンポストなどの様々な仕掛け。四井さんはそれらを丁寧に、そしてどこか愛しげに、一つひとつ説明していく。スイッチ1つでできることはたくさんあるのに。なぜ、あえて手間をかけるのか?四井さんの暮らしというのは、決して無理をしていない。むしろ、思いきり楽しんでいる。「家にいるのが一番楽しくて」と、少年のように笑う。日常には、本来楽しいことがたくさんあるはずで。それを、いかに楽しむかが大切なのだ。

DSC_5578

自分がどんな風に生きたいか。どこで、誰と、何に「豊かさ」を感じて暮らしていきたいか。ふと立ち止まって考えてみたとき、私たちは自然と自分たちの生き方をデザインしているのだろう。その入り口が、私たちにとってはタイニーハウスだったのかもしれない。これからタイニーハウスを作っていく中で、現実の壁や困難にぶつかるかもしれない。迷うこともあるだろう。そんなときは、四井さんの話に立ち戻り、自分自身に聞いてみよう。「自分は、どんな風に生きていきたいんだろう?」

文:相馬由季
写真:三枝ナオミチ
映像:Ben Matsunaga
講師:四井真治(Soil Design